うたた ka-gu’s diary

障がいをお持ちの方の、生活と余暇支援を行っている・NPO法人うたたのブログです

きれいな朝焼けと、普段のうたたねと、野依博士「本気で怒っている」日本の教育に危機感と、【日本のありふれた心理療法】

 f:id:ka-gu:20190627064625j:plainf:id:ka-gu:20190627064643j:plain

  一昨日の夜勤明け、少し外に出てみたら、きれいな朝焼けでした!

f:id:ka-gu:20190627064806j:plainf:id:ka-gu:20190627064943j:plainf:id:ka-gu:20190627064901j:plainf:id:ka-gu:20190627064834j:plain

夕食後は、皆さんが長い時間一緒に過ごされる時間です。うたたねでは毎日、ショートステイの方々も来られますので、その日によって状況が変わりますが、みなさんお互いにウエルカムで、状況に合った行動を自然にされているのには、びっくりです。

 施設側に至らないことが沢山ありますが、みなさんに助けて頂いているのも事実です。その至らなさが、ウィニコットが言うほど良い母親的なことになっている時もあるので、それはそれで、完璧な支援にならなくてもよいので、良いのかも?と思っています。至れり尽くせりは、外見上はきちんと支援をしているように見え、ご家族には良い印象を与えるのかも知れませんが、彼・彼女たちの成長を阻んでしまう要因にもなってしまいます。

f:id:ka-gu:20190627065129j:plain

 

 

 

 今回のアップは、オグデンを休んで(笑)、現在読ませて頂いている本に、自分が目指している事を簡潔に記述してくれている感じがしましたので(障がい者福祉において)、少しだけ引用させて頂きました。

 


 先人たちが、素晴らしい理論や概念を沢山残してくれたおかげで、それを軸に支援方法を考えることが出来ていますが、それをそのまま当てはめて、臨床心理学なんて役立たないとか、古典的な精神分析をオワコン扱いする方が大半を占めている事実に、光が射した感じがしましたし、ノーベル賞を受賞された野依先生が、最近の教育に物を申されているのも理解ができます。受験のための勉強なんて何の意味もなさないですね......。ステレオタイプの人間を量産して、やってもらって当たり前、立派な学者の理論に合わなければ、文句を言ったり、諦めたりで全く応用することを考えようとする頭もないし、他人のせいにばかりして、主張だけを繰り返し、一部分だけ切り取って、批判ばかり......。まるで日本の野党の党員を生み出しているだけなのでは?とも思ってしまいます。朝から全開(笑)。老害甚だしい(笑)。

 

 逸脱しましたが(笑)、一人ひとり違うのだし、支援者もそうだし、マニュアルなんて作ることなど不可能に近いのも現実。その中できちんとした仕事をしていくには、最近良く目や耳にする地頭だけではなくて、まずは自分がされて嫌な事は、人様にもしないという事や、自己否定をまず行ってから、問題に向かっていくと言う姿勢が持てない限り、何も生み出せませんね。

 

 以前にも書いていますが、岡倉天心先生は生活そのものがアートだと仰っておられました。下記の東畑先生も同じようなことを言われています。アートって技術だと、天心先生は言われています。自分だけの(そうあらざるを得ないので)技術を身に着けて行くことをやって行かなければ、仕事にもならないことを、みなさん気づいて欲しいと、偉そうに(笑)思う今日この頃です。

 

 日本のありふれた心理療法
ローカルな日常臨床のための心理学と医療人類学
東畑開人著
序章 ポストモダンのローカルな心理療法
2ローカルなものを考える意義
(1)言うまでもなく、「日本のありふれた心理療法」とは、私たちの日常臨床でなされているものであるのだから、そのメカニズムと価値を理解し正当に評価することは、臨床実践における現実的な指針と対応をもたらす。
 心理療法のよくある失敗として、心理臨床家が教科書的な心理療法モデルを過剰にクライエントに押し付けてしまうということがある。ローカルな現実を無視することで、心理臨床家は教条的になったり、硬直した対応を取らざるをえなくなったりするのである。実はこれは、心理療法が本質的に規範的なものであることから、避けえないことでもある。
 しかし、現場の心理療法では、それぞれの個別的な制約を考慮しながら、その規範を運用していくことが必要とされるようなそれは認知行動療法であろうと、精神分析心理療法であろうと、同じである。ここに心理療法がマニュアル化できず、アートであり続けている理由がある。
 したがって、「日本のありふれた心理療法」を構成するローカルな原理を明らかにすることは、規範となる心理療法の現場レベルでの柔軟な運用を可能にする。それぞれの現場で、それぞれの心理療法が要請されるから、心理臨床家は規範と現実の間で葛藤しながら、心理療法の運用を行っていく。この従来語られにくかった側面に、理論的な光を当てようとするのが本書の試みの臨床的価値はここにあり、それは徹底的に日常臨床に向けられている。