うたた ka-gu’s diary

障がいをお持ちの方の、生活と余暇支援を行っている・NPO法人うたたのブログです

Kさんの作品と、ひーひー王子と、『ロック文化が西洋を滅ぼす』(北原 惇)


 久しぶりに、日中一時の方に入らせて頂き、Kさんの作品が沢山出来ていたので、並べてみました。
 本当に素敵ですね!

 片付けをしていたら、こんなものが出て来ました!
知らない間に職員がKさんの作品で遊んでいました(笑)
かわいいウサギのようですね!
 本当にきちんとした作品に仕上げないといけないですね。
皆で考えて行きます。



 長期の休暇時に、自宅に帰ることが出来ない方のために、ひーひー王子が出張していました(笑)
 散歩も沢山してもらい、ご馳走も沢山頂き、おっちゃんと一緒に歩いて帰って来ました!

 帰り、自宅近くの畑のミソハギが風景となじんでいたので、ひーひー王子に待ってもらい、携帯で写させて頂きました。
 明日京都では、五山の送り火ですね。
 みーちゃんもお母さんと一緒に天国に帰るんですね.....。



 昨日、寝る前にマッサージ器を背中に当てながら『ロック文化が西洋を滅ぼす』を読ませて頂きました。ななめ読みですが、読み終えました。最後の方は、何とも言えず、ヘビメタ大好きな、同じ脳科学者の中野信子さんはどう反論するか?見届けたい(笑)気持ちになりました。
 自分的にはロックもバッハも同じくらい好きで、Am⇒Dmの繰り返しの中にフーガの一節(二節か?)を入れて運指の練習しています(ほぼ毎日)。中学校の音楽の教科書に出ていた楽譜を当時弾いてみたら素敵だったので、未だに弾いています(笑)
 でも、勉強になった箇所は沢山ありました。一か所だけアップさせて頂きます。
 今日は、精神分析音楽療法と音と身体をななめ読みさせて頂きました。こちらも非常に勉強になりました。

『ロック文化が西洋を滅ぼす』
脳科学から見た文明論(北原 惇)
第二章 行動を制御するメカニズムの進化
  「三層の脳」の理論
 脳科学者ポール・D・マックリーンは長年にわたって脳の進化の研究をし、「三層の脳」の理論を発表したことで著名である。ここで「三層の脳」とは、人間の頭蓋骨の中に三種類の異質の脳が層になって存在している、という意味である。別の表現をすれば、人間は頭蓋骨の中に一つではなく、何と三っつの脳を持って生きている、ということである。この現象は進化した哺乳類に見られ、人類の場合大変顕著に観察できる。
 脳の進化は脊椎動物の進化であると言ってよい。マックリーンの三層の脳の理論はたいへん専門的であり学問的である。一見、象牙の塔の産物で世界の現実とは無関係のように見えるが、実はその関連性は莫大なものがある。この理論を理解することによって、現在我々が直面しているあらゆる種類の社会問題、国際関係、環境問題、そして人類の将来など、誰もが考えなければならない事柄すべてについて再考させられる。
 この理論を一般読者向けに要約すると次のようにまとめることができる。勿論、このように脳科学の数多くの研究成果に基づいている理論を正しく理解しそれらを限られたスペースで再現するのは容易でない。興味のある読者はマックリーン自身の書いた本や論文を直接お読みになることを強くお勧めする。

1,爬虫類の脳
 三層の脳のうち一番下にあるのは爬虫類の脳である。これは進化の歴史上もっとも古い層で、その名が示すとおり、鰐や亀などの爬虫類の動物の脳である。爬虫類の脳は生命を維持するための行動に関与している。爬虫類の動物は遺伝的に決められたプログラムをほとんどそのまま実行して生きている。そのため行動は機械的で柔軟性、適応性がない。爬虫類の脳は領分の防御、求婚行動、交尾、繁殖、そして決まりきった動作をつかさどっている。

2,原始的哺乳類の脳 大脳辺縁系 原始的な哺乳類は爬虫類から進化したわけであるが、この進化の過程で新しい種類の脳が現われた。これが原始的哺乳類の脳で、蟻食いなどが持っている脳である。構造的にはこの脳は爬虫類の脳の上にある層として存在する。別名は大脳辺縁系である。つまり蟻食いなどの原始的哺乳類の動物は、爬虫類のように一層だけの脳ではなく、二層の脳を持つことになった。
 この新しい脳の層の出現で画期的なことは、動物が遺伝的に組まれたプログラムにそっくりそのまま従って行動することをしなくなった、という点である。原始的哺乳類の脳を持った動物は柔軟性、適応性を示すようになり、感情を表すようになった。この脳は感知、認識、感情をつかさどり、原始的ではあるものの同じ種の動物に対する一種の「愛」と思いやりも示すようになった。そのために原始的哺乳類の動物は(一)哺乳をする、(二)親として養育する、(三)遊ぶ、という行動を示すようになった。ここで特に注目しておかなければならない重要な点がある。原始的哺乳類の脳が現われたことによって爬虫類の脳が消えてなくなったわけではない。爬虫類の脳は原始的哺乳類の脳の下に別の層として明確に存在し続けている。そして生命を維持するという爬虫類の脳の基本的特徴や、爬虫類の脳として発生した生物学的な歴史もそのままである。これら二種類の脳はお互いに異質の関係にある。その異なった二種類の脳が二つの層として共存しているわけである。
 その結果、二種類の脳がお互いに相容れず、葛藤の原因をつくりだしてしまった。原始的哺乳類の脳は探すこと、食べること、争うこと、恐れ、自己防衛にも関与している。ところが爬虫類の脳もこれらの行動の一部に関与している。しかしこの二種類の脳はどちらかと言えばそれぞれ独立して存在しているため協力して機能しない。それどころかそれぞれが動物の行動を支配しようとすることにもなる。

3,進歩した哺乳類の脳 (新皮質) この脳は原始的な哺乳類の脳の上の層として存在し新皮質との呼ばれる。つまりマックリーンの「三層の脳」というのは一番下に爬虫類の脳、その上に原始的な哺乳類の脳、その上に進歩した哺乳類の脳という形の三層である。これは人間の脳の外側の表面に観察される。新皮質は進歩した哺乳類に存在するが人類の場合にはこれは特に発達している(第一図参照)。脳の進化の歴史から見ると、新皮質が現われ発達したことは驚異的な出来事で、人間の場合、脳全体に対して新皮質の占める割合は格別である。
 新皮質の役割は外部から入ってくる情報を処理することである。爬虫類や原始的哺乳類の脳に比べると、新皮質は身体内の生化学的変化にはそれほど関与していない。新皮質は身体を動かすこと、考えること、言語などをつかさどっている。


 三層の脳があるための問題点
 新皮質はその下にある二層の脳と明確に異なる。しかし無関係ではない。それどころか、考えようによっては新皮質は下部の二層の脳に依存しているとも言える。その理由は新皮質が受け取る情報は下部の二層の脳を経由してくるためである。その意味では新皮質は下部の二層をつうじて入ってくる環境についての情報に従って機能する、という適応の役割をする。したがって新皮質は下部の二層の脳の言いなりになってしまう。ということは新皮質を持っているはずの人間でも、爬虫類の脳、原始的な哺乳類の脳の特徴に基づいた行動をすることにもなる。
 勿論、新皮質は下部の二層の脳に完全に支配された奴隷のような存在ではない。新皮質はこれらの脳とは反対の指令を出すこともある。新皮質があるために、我々は知性、理性、倫理、論理、価値観、宗教などを持っている。この新皮質の特徴こそが我々人類を動物界で独自の存在にする理由である。〜