うたた ka-gu’s diary

障がいをお持ちの方の、生活と余暇支援を行っている・NPO法人うたたのブログです

うたたねボーリング大会と、ももちゃんの作品と、『小児医学から精神分析へ』より





 昨日は、うたたねボーリング大会がありました。
岩屋キャノンボールさんが、本当は10名以上でないと予約できなかったのですが、大型連休に帰省できない方や、ショートステイを利用される方のために、予約を取ってくださいました。ありがとうございました!
 賑やかにとの親分の発案で、帰省中の方も希望者の方のみ参加されました。

 その後、女性職員の発案で、うなぎパイ工場見学に行ったようです。
相変わらず親分の写真は写りが悪いですが(笑)皆さん楽しそうですね!



 ももちゃんは、5時からスタンバイしていたので、時間が沢山あり、自ら食堂にある職員用のメモ用紙を持って来て、文字や絵を沢山描いて・書いて見せてくれました。家に貼りまくるとのことでした!


 是非とも、カーグに来てくださいね!

 



 昨日の夜勤明け、眠れそうになかったので、木村敏先生の『臨床哲学の知』を一気に読み上げて、エレキを弾きまくり(笑)ウィニコットに入りました。給与計算等の事務仕事もありますが.......。


 第1章は 食欲と情緒障害で、それに関連付けて第2章に入っています。論文集なので、分かりにくいですが、よく読ませて頂くと、現場に必要な考え方が現れて来ます。

『小児医学から精神分析へ』 ウィニコット著・北山修監訳)
第2章 設定状況における幼児の観察
幼児の行動

 〜これは生後6カ月から8カ月にかけて、おそらく伝染性の胃腸炎がきっかけで、摂食障害のために来所した女の赤ん坊の症例であった。その子どもの情緒的な発達は、この病気によって損なわれていた。そして、怒りっぽく、満足感がないままで、食べた後で吐き気を感じやすかった。遊ぶことがまったくなくなり、9ヵ月までに、人物に対する彼女の関心がまったく満足できないものになっただけでなく、ひきつけの発作を起こし始めた。11カ月目には、ひきつけ発作が頻繁になった。
 12カ月目には、その赤ん坊は大きなひきつけ発作を起こすようになり、それは後で眠くなるものであった。この段階で、私は彼女に数日ごとに会い、個別に20分間かけて、注意深く診察し始めた。むしろ、それは、設定状況として現在私が述べているやり方なのであるが、そのときは幼児を私の膝の上にのせる方法をとった。ある診察の時に、わたしは彼女を観察しながら、私の膝の上にのせていた。彼女は私の指の関節を噛もうとしてひそかにもぞもぞ動いていた。3日後に、私はまた彼女を膝の上にのせて、彼女が何をしようとしているのかを見ながら待っていた。彼女は私の指の関節を3回ほど噛んだが、それはかなりひどい噛み方だったので、皮膚があやうく裂けるほどであった。それから、彼女は、舌圧子を床の上に15分間ほど絶え間なく投げ続けて遊んだ。彼女はその間中ずっと、本当に不幸であるかのように泣き続けていた。
2日後に、私は彼女を30分間膝の上にのせていた。その前の2日間で、彼女は4回のひきつけ発作を起こしていた。はじめ、彼女はいつものように泣いていた。そして、彼女は私の指の関節をまたひどく噛んだ。今度は罪悪感を見せることなく噛んで、それから、噛むことと舌圧子をほうり投げるというゲームで遊んだ。私の膝の上にいる間に、彼女は遊びを楽しむことができるようになったのである。しばらくして、彼女は自分のつま先を指でいじりはじめていた。
 後に母親が来て、この前の診察以来その赤ん坊は、〝別の子ども"になったと語った。彼女はひきつけ発作を起こさなかったばかりでなく。夜もよく眠っていたし、1日中幸せそうで、鎮静剤もいらなかった。その後11日たっても薬なしで、その改善は持続した。14日間、何のひきつけ発作もなかったので、母親が終了を申し出た。
 私は1年後にその子どもを訪問して、最後の診察以降、彼女に何の症状もないことを知った。全く健康で、幸せで、賢くて優しい子どもが、遊び好きで、ありがちの不安からも自由であるのを私は見たのである。

 幼児の人格の流動性fluodiryと、感情や無意識の過程が赤ん坊の早期の発達段階に非常に密接に関連しているという事実が、数回の面接の経過の中でも変化をもたらすことを可能にする。しかしながら、この流動性はまた、生後1年目では正常である幼児や、この年齢で治療によって順調な影響を受けた幼児であっても、危険の森からどうしても免れはしないことを意味しているはずである。彼が、まだ後の段階で神経症や、もし悪い環境因子にさらされるなら病気になるという可能性は、まだ高いのである。しかしながら、もしその子どもの最初の年がうまくいくとすれば、それは良い予後の指標である。


 いきなりこれを読んで頂いても、ウィニコットを知らない人には、何が何だか分からないので、ヒントを下記に上げさせて頂きます。



【舌圧子ゲーム】
『設定条件下における乳幼児の観察』において、乳児が舌圧子に着目し、それに手を伸ばし、やがて遊びに飽きて放棄する一連のプロセス

ウィニコットは、日常的に繰り返される育児の時間的連続性を大切なものだと考え、抱え込むことであるホールディング(holding)や遊ぶことであるプレイイング(playing)は一時的な行為ではなく、日常的に継続して行われるべきものだと強調しました。ウィニコットの児童精神臨床における精神療法の基盤も『遊び(playing)』にあり、分析家の遊びの喜びとクライエントの遊びの楽しさが交錯する時に最大の治療効果が生まれるというような考えを持っていました。
ウィニコットの遊び概念を基盤に置く精神療法(精神分析)の文脈では、クライエントが心の底から『遊び(playing)』の時間・空間を満喫し、他者と遊ぶ行為を楽しく感じることが出来るならば、精神的問題や対人関係の困難の解決が早まると予測できます。遊びを重視する精神療法では、『遊ぶ事ができないクライエント』を『遊ぶ事ができるクライエント』に導く事が分析家の重要な仕事になってくる。


ウィニコットの自由性と創造性を尊重する児童臨床の面接場面では、多くのユニークで実用的な技法が発明されましたが、クライエントと交互に殴り書きをして投影法的な共同作業をする『スクイグル・ゲーム(殴り書きゲーム)』は現在の心理臨床でも用いられることのある技法です。分析家かが初めに殴り書きをしてその無秩序な線の絡まりが何に見えるかをクライエントに聴き、その見える対象を完成させるように教示してクライエントに殴り書きをして貰います。それを交互に何度も繰り返すことで、クライエントと分析家の心理状態や無意識の力動などが殴り書きの図形や絵画に投影されるというのがスクイグル・ゲームの臨床的意義である。