うたた ka-gu’s diary

障がいをお持ちの方の、生活と余暇支援を行っている・NPO法人うたたのブログです

共依存とジョハン・ハリ: 「依存症」― 間違いだらけの常識と彼岸花

 最近、こだわりの強い利用者さんの支援を考える時、依存・共依存の事が頭に浮かんできます。
 例えばリップクリームの要求が強い方に対して、受容と称して要求通りに与えてしまうのは、依存・共依存の関係になってしまっているのでは?とも考えてしまいます。
 そこでMIなる物に興味が湧き、少し調べて自分でも分かり易い所をコピペさせて頂きました。もう少し勉強させて頂いたら、オペラント型学習とセットにした考え方で、もう少しレベルアップした支援が可能になる気がしています。
 尻拭い(イネービリング)的な支援の見直しにもなりそうですね!


原井宏明・独立行政法人国立病院機構菊池病院

MIは欧米ではよく知られている。MIのトレーニングを行うトレーナーの世界規模の組織があり,Motivational Interviewing Network of Trainers (MINT)と呼ばれている。2006年10月現在,日本人のMINTメンバーは2名であり,著者はそのうちの一人である。
著者はもともとアルコール依存症の臨床に携わっていた。当時のスタイルはいわゆる久里浜方式であり,患者に対する面接のスタイルは直面化を強制するものであった。腹部を触れながら,大げさな態度で"この肝臓はもう石の様だ,女性化乳房もある。断酒するしかない,3ヶ月の入院,"と宣言するのが習わしであった。1995年の国際行動・認知療法学会でのSobell夫妻のアルコール乱用に対する認知行動療法のワークショップで初めてMIについて耳にした。しかし,このときにはそれきりで,臨床のスタイルは同じであった。
2000年5月のアメリカ精神医学会に参加した。薬物依存シンポジウムでの聴衆との雑談からMIが評判になっていることを知った。2001年薬物依存患者の比較研究のためにハワイ大学に滞在した。矯正関連職員を対象にしたワークショップに参加した。テーマはMIだった。ハワイ大学アメリカ国立薬物依存研究所(NIDA)の研究グループに参加して認知行動療法(Matrix model)(4)をすることになった。ロサンゼルスのMatrix InstituteにてJeanne Obert(5)のワークショップを受けた。基本はMIであった。これは,MIを本格的に学ぶべきだと考え,William Millerに連絡をとった。研修ビデオを取り寄せ,MIの本を読んだ。2001年から菊池病院においてMatrix modelに準拠した薬物依存治療プログラムを立ち上げ使うようになった。このときが,MIを薬物依存の患者に実際に使い始めたときである。2003年クレタ島にてトレーナーになるためのトレーニングを受け,MINTに加わった。病院スタッフにMIを教えるようになった。
MIに関する文献資料が必要だと考え,Millerらによる治療マニュアルを翻訳した。翻訳は著者のWEBサイトに掲載している。
訓練用DVDが必要だと考え,「動機づけ面接トレーニングビデオ 日本版【導入編】」を作成した。2004年に国際行動認知療法学会が神戸で開かれた。MIのワークショップとシンポジウムをMINTのメンバー(米国のSusan Butterworth,ドイツのUlfert Hapke)と一緒に開催した。このときからMIのワークショップを日本国内の要望に応じて開くようになっている。30分程度のものから丸一日のものまで年に数回行っている
ワークショップ概要
「動機づけ面接」
アルコールや薬物などの嗜癖の問題にかかわる援助者は,問題は断酒や断薬に対する動機づけと否認であると考えてきた。患者は否認し,家族は共依存し,援助者はイネーブラーになる。治療とはイネーブリングをなくし,どん底の現実と直面させ,「節酒はありえない」「自助グループに参加を」と説くことだった。動機づけ面接(MI)は,こうしたやり方,"直面化"とはまったく異なったアプローチである。MIは,底つきをさせ,断酒の動機づけをする方法ではない。患者が望まない方向に動機づけすることはできない。MIは「ダメ絶対」よりも「ハームリダクション」を,「断酒」よりも「患者のできること」を,「底つき」よりも「価値観の尊重」を目指す。
MIはそれ単独で独立した治療パッケージではない。カウンセリングのスタイルであり,さまざまな方法と併用して用いることができる。嗜癖の問題だけではなく,生活習慣に関わる行動変容,薬物療法エクスポージャーなどの他の治療の効果を高めるための補助に使えることを示すエビデンスが蓄積してきている。
一方,MIは数あるアプローチのひとつであり,嗜癖に対する唯一の正しい治療というものではない。さまざまな人々のさまざまな問題に,MIが有効であることが明らかにされているが,一方で,MIよりも従来の直面化のほうが有効な人々がいることも確かである。同様に,すべて援助者がこの方法を上手に使えるとは限らない。MIは,権威主義的,直面的,威嚇的なスタイルとは対極にある。直面的なスタイルでうまくやってきた援助者には,MIはペースが遅く,効率が悪いと感じられるだろう。一方で,今回のワークショップに参加しただけでMIを容易に"認識"し,すぐに臨床に取り入れることのできる人もいるかもしれない。一度でも使って,良い結果を経験することができれば,MIは援助者には欠かせない技術になるだろう。
MIとはクライントが自分から積極的に問題に取り組み,変化の決意をすることを援助できるようにデザインされたアプローチである。来談者中心カウンセリングや認知療法,システム理論,説得に関する社会心理学から取り入れた戦略から成り立っている。セッションは一見すると来談者中心カウンセリングそのもののように見えるが,カウンセラーは,明確な目標と方向を保っている。
目標は以下の五つである。
MIの基本的な考えと治療に関するエビデンス,言語行動の応酬性を理解する。
患者の発言の中からチェンジトーク(自己動機づけ発言)を見分けることができるようになる。
援助者の発言の中で,チェンジトークを増やすもの,減らすものを見分けることができるようになる。
ロールプレイによる繰り返しによって,MIのスキルを実際の面接で使うことができるようになる。
実際の臨床場面における面接スタイルで使うことが出来るようになる。


 





  またまたTEDですが、こんな映像に偶然出会いました。
依存症は単なる依存だけではなく、その原因が『繋がりが無くなる・ない』ために起きるものだと、ポルトガルの施策などを紹介し、分かり易く解説してくれています。
 上記の動機づけでしょうか?
依存の対極にあるのは繋がりという言葉には、頭を殴られたくらいの衝撃がありました。

ジョハン・ハリ: 「依存症」― 間違いだらけの常識http://www.ted.com/talks/johann_hari_everything_you_think_you_know_about_addiction_is_wrong?language=ja









 昨日、夜勤に入る途中、歩いていたら(自分の車を持っていないので歩くか、自転車でほぼ通勤しています)彼岸花が沢山咲いていましたので、夜勤明けに沢山咲いている場所を知っており、少し頂いてこようと思い、今日貰って来ました。

 先日ホームセンターで売っていた米袋の中にボトルを入れ彼岸花を投げ入れました。本当は野菜や穀物を生ける用に38円で買った袋でしたが、実験的に使ってみました(笑)

 白い(黄色い?)彼岸花は、少し本気を出して辰砂の花入れ(こちらも1,000円で落としました(笑))又もや無断で家主さんの倉庫前で撮影!
いつも済みません。

 まだまだ日中は暑いですが、朝晩は本当に涼しくなりましたが、夜勤帯は室温や寝具に特に気を使っています。
 9月はショートステイの利用者さんが沢山来ていただけて感謝していますが、送迎など色々ミスもあり申し訳なく思って居ます。