うたた ka-gu’s diary

障がいをお持ちの方の、生活と余暇支援を行っている・NPO法人うたたのブログです

日常語で喋る芸と神戸館チャリティー絵画展の片付け

先日、九雀師匠からメルマガを頂いていましたが、先ほどようやくメールを開き、読ませて頂き、興味深い内容でしたので、アップさせていただきます。

九雀です。
クリスマスですね。今年もあと1週間です。

桂九雀田中啓文こともあろうに内藤裕敬」という公演を年末慌ただしい時にやります。
http://sakaihirokoworks.net/baijyu/
去年12月に「柳家三三北村薫」を見る機会がありました。
本来、噺家は同業者の舞台を客席で見てはいけないのですが、知人のAさんが「行く予定で切符を買ったけど、仕事に行かなければならなくなりました」と譲って頂きました。
それを見て触発されて思いついた公演です。
すぐ三三さんに「アイディア拝借」願いを出しまして、ご快諾頂きました。
原作の田中啓文さん、脚色・演出の内藤裕敬さん、プロデューサー日高美恵さん、皆さんにご協力を頂いて、良い物が出来上がったと自負しております。
三三さんの場合は、語り〜落語〜休憩〜語りという構成でしたが、小劇場演劇をやっていた私ならではのやり方でやらせて頂きます。
売り切れ間近の会もございます。どうぞお早めにお願いします。

今年は後半ぐっと多忙になり滞りがちのメルマガですみません。

なお公演情報などは、旧落語工房のホームページでご覧頂けます。
http://www.rakugokobo.jp/
ヤフーカレンダー「働く九雀」
Twitter「@hataraku_kujaku」(公演情報)、「@katsurakujaku」(日常のつぶやき)などをご参照下さい。


前回は「あることに気づきました」で終わっていました。
それについて。

落語と言うのは、まず演者自身のお喋りであるところの「枕」から始まります。
当然のことながら、お客様は、演者が自分の考えを自分の言葉で喋っていると思いながら聞いています。

いざ本題に入ったらどうでしょう。
お客様に「ある人物を演じている」と感じさせたら、これは失敗です。
いつの間にか、登場人物と落語家が同期してしまい、演者自身が喋っているように感じて貰わないといけません。
その場合、作られた言葉、作られた表情は、お客様の想像の妨げにしかなりません。
つまり「枕」同様に、本題部分の台詞も、演者自身の言葉として表現するわけです。

要するに落語という芸は、始めから終いまで、「自分の言葉で喋る芸」なのです。
家で「行って来ます」や「いただきます」「風呂入る」と言ってる口調そのままに芸をします。
いや、実際は私生活と違っても、少なくともお客様には「この人、家でもこんな風に喋ってるんやなぁ」と思って貰わないといけません。
漫談やフリートークではなく、ストーリーを展開する芸の中で、これは極めて特殊なことです。

市川團十郎さんが、ご自宅で、あの台詞回しで「あっ風呂に入ろうーかぁ」なんて言いながら暮らしているとは思えませんし
茂山家の皆さんが、狂言口調で「これは、このあたりに住む亭主でござる」と言いながら帰宅するはずもありません。
日常生活とは違う言葉で舞台を務めている、と誰もが思っていますし、現実にそうです。ですから芸の稽古として「こんな速さで喋ってみよう」「こんな大きさの声で話してみよう」と言う工夫ができます。

しかし落語家は自分本来の言葉で喋っていますから、舞台の上だけ「ゆっくり喋ろう」「間を取って話そう」と言うのは至難の業ですし、またやり遂げたところで、どこか借りてきた言葉になってしまいます。
つまり落語の口調を変えるならば、日常の口調から変える必要があります。
そしてその日常の口調は、その人が持つ性格や人間性に由来している・・・
となれば芸風や喋り口調の改革には、人間改造が必要になるわけです。
(ひっくり返して「改造人間」なら仮面ライダーですが)

とまぁ気の遠くなる作業であることがわかったところで、この続きは「明日のこころだ」
小沢昭一的こころ風)

では良いお年を。
いやその前に、年末の「桂九雀田中啓文こともあろうに内藤裕敬」でお待ちしております。
◎九雀通信
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http://archive.mag2.com/0001341814/index.html

 皆さん、そろそろ自分の言葉で喋りませんか?と言われているような気になりましたが、皆さんはどうでしょうか?

今日は、朝から神戸館チャリティー絵画展の片付け、ショート利用者さんの豊橋・渥美方面の送迎、餅つき大会参加などがあり、少しバタバタしてしまい、利用者の皆様、職員の皆様にご迷惑をお掛けし申し訳ありませんでした。
 おかげさまで、神戸館チャリティー絵画展の方は、長澤様ご夫妻のご尽力と皆様の暖かいお心遣いで、沢山のご浄財を頂きました。
現金のご寄付だけ先にと、長澤様から頂きました。
 年が明けてから総額は発表していただけるとの事なので、皆さん楽しみにしておられます。本当に有難うございました!
 ケアホームの入居者さんのお二人は、帰省されていますが、その分ショート利用の方々が、賑やかにして頂いています。
 こちらも感謝の気持ちで一杯です!