うたた ka-gu’s diary

障がいをお持ちの方の、生活と余暇支援を行っている・NPO法人うたたのブログです

九雀師匠からのメルマガ

久し振りに九雀師匠からメルマガが届きましたのでアップさせて頂きます。

持ちネタ入れ替えして1年
九雀です。
まぐまぐ」本部から「長いこと発行してはりませんでぇー」と催促のメールが来ました。
近頃はこの催促が来てから書くことが多くなりました。

去年の5月末に「持ちネタ入れ替え宣言」をして1年余り経ちました。
それ以降のネタおろしは15本。21日に一ネタの勘定になります。
まずまずのペースです。

身近なアドバイザー達にハードルの高い課題をつきつけられ、それをなんとか改善しようとしたのですが、長年慣れ親しんだネタには、長年のやり方が染みついていて、なかなか簡単には変えられません。そしてそれを気にしながらやっているうちに、以前楽しくやれていたネタをすら楽しくやれなくなってしまいました。大好きな「青菜」をやっていて楽しくない時はかなりショックでした。「これは無理だ。もう落語をやめよう。」と思った瞬間も少なからずありました。けど喰っていかないかん。家族を食べさせなあきません。

そこで思いついたのが、入門時の「持ちネタゼロ」から再スタートするというアイディア。新規に取り組むネタならば覚える段階から、改善された方法でやれば良いわけですから。
若い時のように稽古をつけてもらって覚える方法をとらなくても、あらすじから脚本を作り、それを自分の解釈でやっていけば良いのですが、この時に役立ったのが、指導しているアマチュアの方々に書いた台本です。

落語の台本は、自分の口調で、自分の体内にある言葉で書くのが一番です。
初期の頃は「台本は自分で作って下さい」と指導していました。ところがこれを言うと殆どの人がインターネット上にアップされている台本を丸写しして作ってしまいます。そしてこの「ネット上の台本」はテレビ・ラジオで放送された物を、有志の方が丁寧に字にしたものです。「放送された」ということは、名のある落語家のものです。米朝一門で言えば「米朝」「枝雀」「ざこば」と言った個性ある人の口調がそのまま字になっていて、決して他の人が真似してはいけない、甚だ「教科書に不向き」な台本なのです。

これはあかん。私がスタンダードな物を書いてお渡しします・・・と言うわけで、私が書き始めました。
ところがこれが大変な作業で。
自分の持ちネタでも、字になってる物は極めて少ないので、一から書くことになります。もっと困るのが、私の持ちネタにないものを希望される場合。これはもう記憶と資料とを頼りに、しかもアマチュア向けに簡単に書いていかないといけない。40人ほどご指導していますから、初めの頃は、常に何十本もの台本を並列で書いていました。売れっ子のドラマ作家みたいです。

自分のやらないネタを調べているうちに、疑問、矛盾、不整合などに気づくことがしばしばありました。
性格上、それを見過ごすことができる私ではありません。
生徒さんに「ここおかしいのと違いますか」なんて指摘されるのも嫌ですし。
結果、そういうネタこそ、私の納得できる「九雀台本」になりました。

指導を初めて5〜6年、その手の台本がたくさん溜まって来ました。
それが今回の持ちネタでは大いに役立ちました。
それをプロ仕様にしてやればいいわけですから。
何よりも、アマチュアの方々が発表会などの舞台にかけて一定の成果を上げているネタです。「この人達に出来て私にできないわけはない。教えたのは私なんやから」という絶大な信頼のもとで手がけることができます。
そんな在庫が、まだたくさんあります。

その上に、落語作家・小佐田定雄さんという強力な助っ人がいる環境なので、私の精進次第でいくらでもネタは増やせます。

入れ替え継続中。
年に15本のペースは当分維持できそうです。<ツイッター>
公演情報 @hataraku_kujaku


「桂 九雀」の名前にて。<ホームページ>
http://www.rakugokobo.jp/ 落語工房

 キャリアの長いプロの方でもこんなに御苦労されています。
自分達はもっともっと努力しないといけないと思いました。

 失敗ばかりの毎日、猛省だけでなく一歩ずつ前に進んで行きたいと思います。

 先日の音楽の日に参加させて頂きながら、同級生である桂む雀師匠とのフレンドシップコンサートの話も進めて行きたいと思っています。
 その時には九雀師匠のクラリネット、あらいなおこさんのハーモニカでの参加も予定させて頂いています。
 勿論、我がB-sproutも!