うたた ka-gu’s diary

障がいをお持ちの方の、生活と余暇支援を行っている・NPO法人うたたのブログです

ヨーガン・レールと、【したがって、個体が病理構造体の影響を最も被りやすいと思われるのは、妄想−分裂態勢と抑うつ態勢、両態勢の中に生じるこの過渡期においてなのである。】



加賀から、午前中に金沢に移動して、ヨーガン・レールを見て来ました。
 本職のアートに気が向かうように、色々と思索しながら、見せて頂きました。

 他の用事も済ませ、氷見に来ました。
今日はゆっくりして、明日用事を済ませて、田原に帰ります。

 写真がうまくアップされていないようなので、帰り次第直します。(笑)



 本は、先日読んだ箇所のアップです。
クラインの復習が続きます。








〜分割も重要な役割を演じていることを忘れがちな抑うつ態勢内において、もう1つの重要な分化が存在している。クライン(1935)は、よい対象が全体対象として内在化されてしまい、その対象へのアンビバレントな衝動からと対象が傷つき、瀕死あるいは死に、“自我にその影をおとす”と感じられる抑うつ状態がもたらされると、再び分割に訴えられる様子を強調している。よい対象を保存し、保持しようとする試みは、抑うつ態勢の一部であり、分割を復活させるのだが、今度はよい対象の喪失を防ぎ、攻撃からそれを守るためである。抑うつ態勢のこの段階における目標は、対象の喪失という現実を、その対象の具体的に内在化したり、所有したり、同一化したりすることで、否認することである。これは、喪の早期における遺族の状況であり、後に続く喪失の体験の前に、通過しなければならない正常な段階のようである。
 抑うつ態勢における臨界点は、対象コントロールの断念という課題に直面した時に生じてくる。抑うつ態勢がワークスルーされ、対象がその独立を許されるためには、対象所有と現実否認に目標が向けられている早期の傾向が完全に変えられなければならない。無意識の空想においては、これは個体が対象保護における自分の無力さに直面しなければならないことを意味する。
 彼の心的現実には、内的惨事は自分のサディズムにより生じたという実感と、自分の愛と償おうという願望が対象保護には不十分であり、対象は死を余儀なくされるという悲しみ、絶望、罪業感を伴った気づきを含んでいる。これらの過程は、不安と心の痛みをその結果をもたらすと思われる喪の作業に関連する激しい葛藤を含んでいる。私の論文の中心テーマは、これが患者にとってはもう1つの臨界点であり、これらの経験に直面できないと、病理構造体がこの葛藤を処理するよう、再び招来されるだろうとのことである。
 したがって、個体が病理構造体の影響を最も被りやすいと思われるのは、妄想−分裂態勢と抑うつ態勢、両態勢の中に生じるこの過渡期においてなのである。