今日の日中と、【Oliver Sacksの『目覚め』という本】
今日は、カラオケをしたり
少しだけ体を動かしたりしました。
本格的な梅雨が始まり、外でのアクティビティーが難しくなってきました。
本は第4章も終わりそうですが、はじめに素敵な文章がありましたので、ここからのスタートです。
中々、興味深い内容でした。
第4章 心が育つこと――再生の機能
Oliver Sacksの『目覚め』という本は、1916年の眠り病の流行以来、不快眠りや停滞の状態に沈み込んでいた脳炎の後遺症をもち、重いパーキンソン病患者たちのさまざまな反応についての話です。その半世紀も後の1969年に、彼らのL・ドーパという薬が投与されました。Sacksは、自分の患者たちが深くまた怖いほどに健康を取り戻した様子を記述し、「これほどの程度、人の生命と構造が失われてなお、またこれほど長い間、ひたすらに病の状態にあってなお、健康と自己への潜在能力が保たれている」ということへの彼自身の驚愕を表現しています。彼は脚注に次のように付け加えています。
多くの読者は、こうした覚醒といわゆる「一時的覚醒(lucid interval)との対比をすぐに思いつくかもしれない。後者の場合には、脳には機能的にあるいは構造的に多大な障害があるにも関わらず、患者は突然、完全に自分を取り戻す。これは、中毒や発熱、他の精神錯乱が頂点に達した時に繰り返し観察されることで、時には患者は自分の名前を呼ばれる事で正気になることもある。再び錯乱によって我を失うまでの一瞬、あるいは数分間
、患者は自分自身でいる。進行した老人性痴呆、あるいは若年性痴呆(すなわちアルツハイマー病)の患者においては、脳の構造と機能とが大きく失われているというおびたただしい証拠がいろいろあるが、非常に突然に、また感動的に、もともとの失われた人となりが生き生きと瞬間的に戻るのを見ることもあるのである。(Sacks 1973:203)