うたた ka-gu’s diary

障がいをお持ちの方の、生活と余暇支援を行っている・NPO法人うたたのブログです

バスキア?と、【彼は、包容する母親としての私の中に、自己の諸部分を入れることによって、それらの断片の中に存在する自分のさまざまな感情への対処の仕方を発見し、自分自身を見出だし始めた。】







 今日は所用で、早朝から名古屋へ行って来ました。
名古屋駅から目的地まで徒歩で行く途中、素敵なものが目に飛び込んで来ました!
 バスキアかと思ったら(笑)工事用に描かれたものでした。
先日、どこかの社長さんが12億円でバスキアを買ったとのニュースが流れていたので、余計に目に入ったのかもしれません(笑)しかし、バスキアの原点を見たような気になりました!
 時間を忘れて写真を撮っていたら、遅刻しそうになりました(笑)ダッシュしてなんとか間に合いました!

 何か無駄にばたばたした一日でした.....。


 電車の中で往きは本が読めましたが、帰りはメールのやりとりで本が読めず豊橋に着いてしまいました.....。
往きに読んでいた箇所のアップです。
 この章は現場に近く、まとまった形になっているので、非常に分かり易い章です。

 下記のように、変化が苦手な方もいれば、変化を好み過ぎる方もおられ、同じ方でもその日次第の時もあり、中々思うようにいかないときも少なからずありますが、変化を嫌われる方の方が、殊、自閉症の方々には多いですね。

『彼の恐怖と激怒が特にひどくなるのは、家やベビーカーから出されたり、あるいは新しい服を着せられる時であった。彼には摂食と睡眠に重篤な問題があったが、日中の排泄は自立していた。』


 下記の【自己と非自己の区別をなくしてしまいもするカオスの状態】は、防衛の一つでしょうか?
『彼は、自分の周りにこれらの断片を排出しないという点で、ある種のより重篤自閉症の子どもたちと異なっていた。そのような重篤な自閉症の子どもは、そうすることで、内的状態を反映しているだけでなく、自己と非自己の区別をなくしてしまいもするカオスの状態を部屋の中に作り出すのである。』


 下記は、同一化させるだけではなく、支援者がまずは同一化しないと得られない状態ですね。
佐々木正美先生が、口酸っぱく、相手を自分に合わせるのではなく、自分が相手に合す方が簡単だ!と仰っていました。

『彼は、私たちどちらともが、それらを経験すると感じていた。彼自身の身体部分がより分化するようになり、彼自身と誰かや何かとの間で区別がより明確になっていった。』







第6章 自閉症の残余状態と学ぶことへのその影響
 ――ピフィー―― 
シャリー・ホクスター
早期の生育歴と背景
しかし、彼はたくさんある決まりごとの内のどんなことでも影響をを与えるような、小さな変化に特に過敏に反応した。(彼はあらゆることの決まりごとを持っているとのことであった)彼はきわめて要求が多く、欲求不満時に、凄まじい持続的発作に容易に陥った。彼の恐怖と激怒が特にひどくなるのは、家やベビーカーから出されたり、あるいは新しい服を着せられる時であった。彼には摂食と睡眠に重篤な問題があったが、日中の排泄は自立していた。〜

〜ピフィーの母親はとても傷つきやすく、過度の心配症であった。彼女は、彼のことをとても心配していたが、常に悩み、申し訳ないと思い、彼のどんなことに対しても応じなければいけないと感じていた。ピフィーが母親に不安をつたえると、彼女が自身の不安の中に性急に投げ入れられるという反応を頻繁に目にした。しかし幸いなことに、彼女は精神科ソーシャルワーカーとの面接が設定され、それは大いに助けとなった。
 父親は妻のために、治療状況を維持するための十分なサポートをおこなった。しかしながら彼もまた自信が著しく欠如していた。紹介された時のピフィーの状態は、「彼は生命を恐れているようだ」という母親の言葉に要約されるかもしれない。



教育歴
〜彼が12歳になるまでに、登校はひどい苦しみをもたらした。しばしば不登校寸前になった。特にクラスや教師が変わる時期にそうなっていた。彼は、家と学校とを別々の区画として厳密に分け隔てるという病理的過程を主に利用することで、学校を耐えられるものにした。知的な達成に向けての彼の原動力は、間違いなく学校の中の社会生活からの逃避によって、強化されているけれども、これを主な要因とみなすことは、単純化のしすぎである。〜





心理療法の初期の段階
不可解なほどに落ち着き、不安が欠如していた。最初のセッションで、母親が部屋を去った時、彼は無反応であった。
〜小さな動物、家、車などのおもちゃは彼にとってほとんど表象の価値を持たず、それらは主に彼あるいは彼の対象の未分化な断片や部分であることは明らかであった。彼は、自分の周りにこれらの断片を排出しないという点で、ある種のより重篤自閉症の子どもたちと異なっていた。そのような重篤な自閉症の子どもは、そうすることで、内的状態を反映しているだけでなく、自己と非自己の区別をなくしてしまいもするカオスの状態を部屋の中に作り出すのである。その代わりに、ピフィーは、それらの断片を支配し、それらの位置を設定したり、箱のような容れ物を使用したりすることが重要な役割を果たす。彼独自の秩序感覚を押しつける執拗な要求を見せた。〜

〜彼がこのように自分のさまざまな部分をまとめ上げ、自分自身あるいは身体をより一貫したイメージにしていくやり方は初歩的なものではあるが、同一性の感覚に向けた重要な進展を表していた。彼は、包容する母親としての私の中に、自己の諸部分を入れることによって、それらの断片の中に存在する自分のさまざまな感情への対処の仕方を発見し、自分自身を見出だし始めた。しはらく後に、彼はほとんどのセッションを彼の衣服そして私の物の色と合ったブロックを見つけることから始めた。この時彼は自分の問題を表現し、いわば外に出すことで考えていく(think out )ための遊び言語(play language )を持つようになった。こうして彼は、さまざまな部分の統合、崩壊、喪失、損傷とを移り変わると私が当時理解していたものを伝えることができ、それについて考えていくことができた。彼は、私たちどちらともが、それらを経験すると感じていた。彼自身の身体部分がより分化するようになり、彼自身と誰かや何かとの間で区別がより明確になっていった。