うたた ka-gu’s diary

障がいをお持ちの方の、生活と余暇支援を行っている・NPO法人うたたのブログです

『自閉症とパーソナリティ』アン・アルヴァレズ スーザン・リード著

 まだ、読み始めたばかりですが、精神分析的な考えに慣れて来たのか? 頭に凄く入って来てます。
しかし、全てが大事な感じがしてしまい、まとまりがなくなっていく感じもあります。
 こんなに勉強になる本が沢山あるのに何故?出会わなかったのか?と不思議な感じもしています。

 先日も書きましたが、ノースカロライナに行った時に『on going』という言葉を頻繁に聞きましたので、下記のようなことは文字通り『on going』で臨機応変にできるようにならなければいけません。

『本書で焦点を絞っているのは、むしろ、症状の変りやすさと反応性についてである。自閉症の人々に共通点は多いけれども。我々は、彼らが一人ひとり異なっており、また、どのような自閉症者においても、自閉的な心の状態は刻一刻と変化しているという事実に、特に関心を抱いている。このように変化する点となかなか変化しない点があるので、親や専門家たちは彼らと接触しようとするときにひどい混乱を経験するのである。』




 職員同士でも、分かっているのでは?ということで、はっきりと言葉と文字で伝えないと、伝わらない時が沢山あります。まずは、職員同士の意思の疎通からですね。それから下記のところに進んで行かないと、現場が余計に混乱しそうです。

精神分析心理療法では、セラピストと患者は、同じ船に乗り込み旅に出る。二人とも、どこに行き着くのかはっきりとわかっているわけではないが、精神分析理論の十分な体系と実践知によって、ある程度の地図は手元にある。自閉症の子どもの心理慮法を行ってきたセラピストは、彼らと交流しようとすると特有の問題に直面することに気づく。彼らは、自分が人格を持っていることをほとんど理解していないし、セラピストが人間であるという観念をほとんどもっていないのである。


 明日は、カーグの日なので、早朝に機材や画材を乗せた車を置きに行き、向いのマックでコーヒーを飲みながらこの本が沢山読めそうです。

 今日は、夜勤明けでしたが、貴ちゃんと、晴君と、あだっちゃんと、アプレシオに行く約束を昨夜したので、四人で行こうと思っていましたが、総勢11名になっていました(笑)
 賑やかで皆さん楽しそうでした!写真は、賑やか過ぎて写せませんでした(笑)


  自閉症とパーソナリティ』 アン・アルヴァレズ スーザン・リード著
倉光 修監訳・鵜飼奈津子・廣澤愛子・若佐美奈子訳
第1部理論的ならびに臨床的発展
第1章 はじめに―自閉症、パーソナリティ、家族
自閉症という状態
自閉症をどのように捉えるか、たとえば、中核的な損傷が生じている場所はどこか、中核的な障害の性質とは何かなどについては、多くの論争がある。認知的な説明を好む研究者もいる。syなわち、自閉症の人は、適切な「心の理論」を形成する能力を先天的にもっていないというのである。我々は、最早期の発達とそれが認知の社会的・情緒的基礎にどのような影響を与えるか、つまり、“心の理論の前駆体”(Baron-Cohen,1992)について研究してきたが、その結果、ホブソン(Hobson,P.)やトレヴァーセン(Trevarthen,C.)らの見解とおおむね一致した。すなわち、自閉症間主観性の障害、他者の存在に対する認知の欠落であると思われる。我々はそれを、正常の「人間関係についての情緒的基盤をもった関心ないし願望」における障害であると定式化する。〜

〜しかし、本書で焦点を絞っているのは、むしろ、症状の変りやすさと反応性についてである。自閉症の人々に共通点は多いけれども。我々は、彼らが一人ひとり異なっており、また、どのような自閉症者においても、自閉的な心の状態は刻一刻と変化しているという事実に、特に関心を抱いている。このように変化する点となかなか変化しない点があるので、親や専門家たちは彼らと接触しようとするときにひどい混乱を経験するのである。



►タヴィストックのアプローチ 
 精神分析心理療法では、セラピストと患者は、同じ船に乗り込み旅に出る。二人とも、どこに行き着くのかはっきりとわかっているわけではないが、精神分析理論の十分な体系と実践知によって、ある程度の地図は手元にある。自閉症の子どもの心理慮法を行ってきたセラピストは、彼らと交流しようとすると特有の問題に直面することに気づく。彼らは、自分が人格を持っていることをほとんど理解していないし、セラピストが人間であるという観念をほとんどもっていないのである。タヴィストックの自閉症ワークショップでは、患者の生活機能における発達遅滞、障害、防衛ないし逸脱構造を考慮に入れた心理療法の技法を開発してきた。我々は個々の患者との治療における逐語録を記載することによって、この方法を呈示する。それによって、患者一人ひとりのユニークな問題が解き明かされることを期待している。非常に重度の患者の心に到達しようと努力していく過程で、我々は、心理療法的技法のあらゆる側面、さらに言えば、人間の営みのあらゆる性質について、問い直し、再考してきた。