うたた ka-gu’s diary

障がいをお持ちの方の、生活と余暇支援を行っている・NPO法人うたたのブログです

夜景と、サリヴァン


 今日はシフト上では休みでしたので、午前中はゆっくりさせて頂きましたが、午後からは食堂増築工事があと1日くらいで終わるので、カーテンレールを買って来てとか、明日の視察研修に持って行く菓子折りを買いに行ってから、現場の応援に入りました。
 現場に行くのに、ダイエットの為、ひーひー王子と歩いて行きましたが、お月様が大きくて綺麗でしたが、携帯ではぼやけてしまいます。

 こちらもボケましたが、街のランドマーク?のNTTの鉄塔です。



午前中、少しサリヴァンを読ませて頂きましたが、核心を衝かれた様な箇所が沢山あり、何度も読み返してしまいました。長くなるので一か所だけアップさせて頂きます。

分裂病は人間的過程である』サリヴァン

10A 環境要因は分裂病の病因と治療下における経過とに、どのように関与しているか より

患者が否応なしに接触する人物が、分裂病の経過と予後に抜き差しならない重要性を持つことは明らかである。しかも、一般的には、発病時点の対人状況で特有の意味のあった人物に、患者の急性期の救いになれというのも無理な相談であろう。十四歳から二十五歳までの急性分裂病男子患者の入院治療経験を相当積んできた中で、この二つの推論はいずれも裏づけられたように思う。だとすれば、急性分裂病患者が接触することになるすべての人間の人格資質を高めることこそが、治療で好結果を得るためのあらゆる企てに際してまっさきに考えねばならぬ問題であると、私は実感するようになった。適切な努力の多大な積み重ねが、患者にとって不適任な病院職員とのほんの僅かな接触によって、いとも簡単に潰える事態が、何度となく繰り返されてきた。このことを考慮するなら、この病気の急性期には、親類縁者の面会をやめさせたり、比較的中立で理性のある友人の面会のみに制限しなければならないのである。こういった対人的隔離を押し進めて、患者が個人的に接触するのは患者が精神病院に入院するときにまず送られる入院受け入れ病棟の選りすぐりの職員だけとすると、患者の保護に向けて非常に幸先の良い一歩を踏み出せるように思われる。
急性期にある分裂病患者の治療に関わる者すべてが、チームワークを組んであたることが不可欠である。不幸なことにまったくの真実なのだが、人格というものは、生活に何とかうまく適応しようとして出来あがるものではない。患者にとって良かれと振る舞う事を超えて準専門職に期待される能力は、精神を病むものを世話することに興味を抱くより以前に多年にわたり次第に形成された人格の所産である。よって、精神病院の入院受け入れ病棟での治療を成功させるためには、疾患の経過における個人要因の重要性を理解することに触発されたチームワークが必要なことはいうまでもなく、もとより資質のある職員を選りすぐり、好ましくない人物を良い意味で排除することが不可欠条件である。
看護職、理学療法士、レクレーション療法士、作業療法士などの準専門職の職員と医師とが協調的な治療集団を形成し、分裂病者を相手にするうえで適切な諸条件をすべて揃えれば、分裂病の予後は不良であるという従来の考えとは大きく異なった結果が(少なくとも急性発症例においては)必ずや得られる。しかし残念なことに、この治療単位の活動は、回復者の退院後の生活にまで拡大できるものではないことも、事実である。彼らの大半は退院後、ふたたび不健康な対人状況に引き戻されるからである。充分な洞察を確立して、急激な打撃から身を避けるようになれるまでに退院となることもしばしばである。そうなると、頻繁に再発が起きる。一般の人々が、精神障害への正しい見方を教育され、良質な精神医学的な助言をすすんで受け入れるようになるまでには、まだまだ長い時間が必要だろう。こういった啓蒙は非常に待ち望まれるところであるが、その道程はなお遠い。一般臨床医が、分裂病に関する古い考えを捨てないうちは、入院治療をいくらかでも良い方向に改革するといったところで、ほとんど絵空事だからである。この障害が治癒しうることをいくら示しても、大規模病院では「治りうる病気が治ったのではなく、本来治らない病気がたまたま例外的になおったのだ」として片づけられつづけることだろう。



 重度の方の支援をさせて頂いて、その方々が落ち着かれても薬を使っているのではないか?とか、暴力で黙らせているのではないか?と疑われる時が多々あります(笑)
 疑う前に何故見に来ないのでしょうか?と不思議に思って居ます。



 この章の二つ前の章には、討論会の様子が出ていてその中には、サビーア博士も出て来ていました。
 その方が現在(過去も)立っておられる社会・文化を踏まえた上で、その方の発達史等を見ながら治療方法を構築して行かないといけないのですね。

 シカゴ学派なども勉強しないといけなさそうです......。