うたた ka-gu’s diary

障がいをお持ちの方の、生活と余暇支援を行っている・NPO法人うたたのブログです

アトリエ・カーグとバンドクラブと、【訳者まえがき】(『タスティン入門』自閉症の精神分析的探究より)



 今日はカーグとバンドの日!
メインは甘夏を描いて頂きましたが、

 靴もありましたし


 車になったり


 いつものキャラクターになったり

 たかちゃんは、葉を細かく表現

 岡本画伯は、多肉植物でしたが、いつもと違う感じの配色!
渋くって素敵でした!

 ゆうこちゃんは、甘夏がマンゴーになりましたが、こちらも素敵です!
春らしい、パステルで描かれていました。

 たくちゃんは少し描いた後、今回もながしさんでした(笑)
おまわりさんのうたとのことですが、広場では、消防団の方が沢山集まって訓練などされていました。



 バンドの方は、親分の提案で、ゆうこちゃんがピアノを弾きながら歌うことに!
♯が1個、2個、3個って宣言してから(笑)弾いて頂きましたが、大体ハ長調でした(笑)
練習室の両端だったので、ピアノの音が聞こえず、残念でした。


 バンドの方は、親分の写真なので(笑)こんな物ですね!
暑くて、リズムが上手く取れなかったようで、少しバラバラでしたが、熱かったです!
 夢の中へはもう少し練習したら出来そうですね!



『発達の非定型化と心理療法』も読ませて頂いていますが、7時前に車を置きに行き、時間までマックでコーヒを頂きながらタスティンも読ませて頂きました。第9章の内容で施設の職員が凄く楽になったと書いてあったので、早く覗きたい(笑)ですが、順番に読んでいきます。2冊とも内容が共通している所があるので、同時に読んでいても違和感なく読めます。『発達の非定型化と心理療法』も携帯に打ち込んだので、次回アップさせて頂きます。
プレイセラピーってここまでするんだ.....。おっちゃんの遊びなんて、なんて中途半端でしょう......。と思える内容だったので、皆さんにも紹介出来たらと思いました。
 取り敢えずタスティンのさわりだけです(笑)




『タスティン入門』自閉症精神分析的探究S・スペンスリー著
訳・井原成男、斉藤和恵、山田美穂、長沼佐代子
解題・木部則雄
【訳者まえがき】
〜私はウィニコットが初めて取り上げた移行対象に関心をもっていた。大学病院の小児科で心理の仕事を始めていた私にとって、子どもたちが執着する毛布やぬいぐるみは、小児科臨床のなかで、特に意識しなくても母親たちとの話題のなかで登場する、ごくありふれたものであり、少し意識すれば誰でも発見できる身近な現象であった。こうしたありふれた現象の奥に、子どもが母親から分離していくときの、幻想の母親は象徴という機能を読み取るウィニコットのセンスは、魅力的であった。何よりもそこには、現象を習癖として一面的に見るのではなく、そこに起こっている心の世界の意味を読み取るという、トータルな視点を感じることができた。
 ところで移行対象になる対象は、毛布やぬいぐるみのように、柔らかいものが多いが、それが初期の幻想的な母親の象徴であるなら、柔らかさは当然である。それならば、たとえば典型的には自閉症の子どもが執着するような硬いものは、移行対象ではないのかという疑問が起こる。なぜある子どもは柔らかいものに執着するのに、ある子どもは硬いものに固執するのだろうか。この柔らかい―硬いという対比に答えをくれたのがタスティンのいう自閉対象の概念であった。 
 タスティンは自閉対象の特徴として、物本来の使い方をされず、①奇妙で儀式的な(紋切り型の)、②空想が伴わず、専ら感覚的な使い方をされ、③望み求めている人の代理物ではなく、④硬いものですあり、この硬さによって傷つきやすい心を防衛するということをあげている。そして、移行対象が現実への掛橋であるのに対して、自閉対象は、現実への防壁(バリアー)であるとしている。移行対象が、初期、幻想的な母親を象徴し、人と人を繋ぐものであるのに対して、自閉対象は、人を人から遠ざけるものなのである。 
 こうした説明はなく当時の私にとって目から鱗が落ちるように明快で、発達初期の本質を捉えた理解に思えた。移行対象が人との繋がりができた後の感覚的世界であるとするなら、自閉対象は、人と人が繋がる以前の感覚的な世界であり、おそらく想像を絶する原始的な感覚の世界なのである。人との繋がりをつけることができず、感覚的な世界に留まる自閉症の子どもたちが、自閉対象という硬いものを使って、かたくなに確実に、人という彼らにとって意味不明の世界から自己を防衛するのは、とても納得のいく理解のように思えたのであった。〜

〜こうした流れの中で、受容的な関わりを中心におくプレイセラピーはしだいに行われなくなり、基本的な生活習慣やルールを習得させるための、教育的な考え方が関わりの前提とされるに至った。〜

〜発達相談は、その不可解な行動の謎解きの観を呈し、その意味が分かると親も周囲の人も安心し、それが自閉症児自身にも明らかにプラスに作用するのであった。こうした謎解きは、実は自閉症児の心理療法に通じるものだったのだと思う。周囲が不可解な行動の心的な意味を理解することで、心が安定するという実践を、現場で直接自閉症児に関わる人々が、ごく自然に行ってきたのである。〜


2003年3月27日

イラクの子どもたちの不幸を案じつつ
井原成男