うたた ka-gu’s diary

障がいをお持ちの方の、生活と余暇支援を行っている・NPO法人うたたのブログです

作品の題材を求めてと、第7章「重ね着症候群」(衣笠)について(精神分析から見た成人の自閉スペクトラムより)


 作品の題材を探しに、少しだけ遠出してきました。
お天気が良くて、富士山が綺麗に見えました!これだけでも個人的には収穫でした(笑)


 色んな所に行きましたが、中々めぼしい物がなく、


 休憩がてら入った喫茶店が一番インスピレーションを与えてくれました。



 熱海では、MOA美術館の階段を上まであがり、喘息が出そうになりましたが(笑)なんとか治まり、最高の物を沢山見せて頂きました。帰りも勿論(笑)階段で降りました。
 登っていると、知らない紳士が、後ろから押しましょうか?と言って下さいましたが、半分ぐらい登ると不思議と足が軽くなりました(笑)
 高校生の時に、四国を自転車で同級生と回った時に、室戸岬を自転車で登ろうとしていて、車で登る方々から車から頑張れ!と言われ、仕方なく(笑)一度も休めず登り切った(ママチャリで!四国を回るように新聞配達で自転車を買ったのですが、アニキが勝手に乗って行って、盗まれました.....)ことを思い出しました(笑)
 人間やれば何でもできるもんやな!と思ったことも(笑)思い出しました。
まあ、なんでもやってきましたが......。


 相変わらず宿は行き当たりばったりで、何故か?修善寺(一泊朝食付きで、4450円くらいw)。
不案内なので、駅前でお蕎麦を頂きました。
 温泉が24時間入れるというのが一番良かったです。
宿泊客も少なく、温泉に一緒に入ったのは、韓国か中国から来ている従業員さんでした。(朝は温泉の管理を夜にしていたおじさんでした)
 こちらに来たばかりの時に、長野の友人に会いに行ったついでに泊まった、夏の志賀高原のホテルは、自分ひとりだけだったので、食事はホテルの人と一緒に食べたこともありました。

 良い作品のモデルは見つかりませんでしたが、昔を思い出す機会を与えてくれたこと感謝しています。(誰に?w)

 朝、温泉から出て、読ませて頂いた箇所のアップです。ひとつ前に読ませて頂いていた本にも出ていた言葉でしたが、ハッキリ意味が分かりました。アップは最初の部分だけですが....。


第7章「重ね着症候群」(衣笠)について
皆川英明
1,はじめに―「重ね着症候群」概念の発見の歴史
 本書では、衣笠(2004,2006,2007,2008,2010,2011)が提唱した「重ね着症候群」(layered -clothes syndrome )の概念について説明する。衣笠は1993年に広島市精神保健福祉センター(以下、当センター)の初代所長に就任した。当センターには行政面の業務の他に保険診療部門があり、統合失調症などを対象にした一般的なデイケアを行う一方で、パーソナリティ障害や重症神経症に対する個人精神分析的精神療法や分析的グループ療法を実践してきた。そのため当センターの初診患者は、精神分析的精神療法を目的に近隣の医療機関から紹介されるものが多い。その中から精神療法の適応となるいわゆるサイコロジカル・マインドのある患者群と、想像力や空想力の貧困な精神療法の適応とならない患者群を峻別する必要がある。そのため当センターでは一回50分、計3〜4回の力動的診断面接をほぼルーチンで行ってきた。
 加えて1990年代の後半になって「引きこもり」問題に世間の注目が集まるようになり、その頃から当センターが設置している「引きこもり相談窓口」への相談件数が急速に増加した。それらのほとんどは本人が受診することは稀で、多くは両親による来所だった。それでも一部には、本人が家族とともに受診するケースがあり、当センターがルーチンで行っている力動診断面接を行うことができた。さらには両親に対して「引きこもりの親グループ」への参加を勧めたところ、数年にわたって親が通所する中で家族内力動に変化が起こり、やがて本人が来所するというケースも認められるようになった。
 紹介されたパーソナリティ障害や神経症への精神療法の適否の検討、および引きこもり相談への対応という作業をしていく中で、これら患者の中に、特有の雰囲気と発達史的特徴を備えているものが存在していることに気づくようになった。特有の雰囲気とは、双方のコミュニケーションの困難さ、特有の情緒交流の困難さ、本人の独特のこだわり(杉山,1994,2002;十一、2002,2004)などだった。また発達史的特徴とは、幼児期から思春期青年期までの間に広汎性発達障害の特徴が部分的に存在しているということだった。この発見に強い関心を抱き、当センターでは1998年〜2004年の間に当センターを受診した全初診患者788名を対象に詳細な生育歴聴取を行い、背景に発達障害の傾向を有していないかどうかを調査した。調査にあたっては、診断面接のみならず、WAIS.ロールハッシャテスト、MMPI、AQ-J(若林ら、2004)などの心理検査に加え、発達問診表を用いた両親への聴取も可能な限り行った。
 調査結果(世木田ら、2005)によると、DSM -Ⅳに基づく操作的診断名は、788名の大半が社会恐怖や各種パーソナリティ障害に該当した。統合失調症や気分変調性障害に当てはまるケースもあった。このうち58名(7.4%、18歳〜48歳)に高機能性の軽度広汎性発達障害が認められた。引きこもりを主訴として初診となった患者に限ると、37.5%がこれに該当した。DSM-Ⅳに当てはめた場合、その大半は特定不能の診療では発見するのが困難なほどだった。大学などの高等教育を受けているものも少なくなく、一部は高い知能を呈していた。58名のうち18例は、小児期において神経症様症状が出現したり不登校になったりしたために医療機関児童相談所などに相談していたが、そのほとんどが当時は発達障害とはみなされず、短期間のうちに通所を終了していた。広汎性発達障害としての特徴が軽微であったために、幼稚園や小、中、高校を通して周囲は「変わった子」としての認識はありながらも診断には至らなかったものと思われた。そして思春期後期・成人期になって種々の精神症状を呈して受診に至った。そこで初めて、背景にある高機能型の発達障害の傾向を持っていることが明らかとなったのだった。これら患者群を、衣笠は「重ね着症候群」と名づけた。