うたた ka-gu’s diary

障がいをお持ちの方の、生活と余暇支援を行っている・NPO法人うたたのブログです

今日は大丈夫でした(笑)と、『久石譲 音楽する日乗』より


 今日は、シフトでは夜勤でしたが、通院介助があり7時に家を出たのでネコさんがまた、刺さってないか(笑)心配でしたが、12時前に帰宅しても大丈夫でした(笑)台風の影響で湿気はありますが、気温は思ったよりも上がっていなかったので良かったです。天気予報では今日も上がるとのことでしたので、利用者さん達の心配もしていました。
 この地方は直撃は逃れそうで取り敢えずは良かったです。


 最近得意の(笑)ななめ読みさせて頂いた、久石譲さんの本からのアップです。日乗ってどこから来たのか?そういえば書いてあったっけ?
見直してみます(笑)
 ロックもポップスもクラッシックも原理(コード進行など)は同じなんですが、クラッシクしていないと下に見られたり、福祉の現場でも精神分析家たちの理論を口にしたり文章にしたら一目置いてもらえるような感じがしています(笑)
 理論と利用者さん達の両方を本当に理解していないといけないのは当たり前ですが、音楽もジャズは言うまでもなく、ポップスもロックも掘り下げようと思えばいくらでも掘り下げられるし、クラッシックしかしていないかたでも(本当にすごい方は何でも演奏できますが)ポップスは(コードワーク)出来なかったりなので、ロックやポップスも馬鹿には出来ないですね。

 久しぶりにフロイトが出て来ない本にあたりました(笑)が、音楽大好きな人間には考えさせられる箇所が沢山ありましたが、一か所だけアップさせてください。


久石譲 音楽する日乗』
和音が音楽にもたらしたもの
 クラディオ・モンテヴェルディというイタリアの作曲家がいる。16〜17世紀にかけて活躍した人なのだが、現代でも比較的演奏される機会があり、歴史上重要な作曲家の一人だと僕は思っている。ヴィオラ・ダ・ガンバ奏者でもあった。
 この楽器は、16〜18世紀によく使われた楽器で、擦絃楽器である。ヴァイオリンを鈍くしたような音色で、風情がありヨーロッパの大理石の壁になじむ音、と言ったら多少イメージを感じてもらえるだろうか。ただ弾き方はチェロのように縦にかまえるのでヴァイオリン属とはまったく別系統であると言われている。以前、中国映画でこの楽器を使ってスタジオで録音したが(なんで中国映画にヴィオア・ダ・ガンバか?という疑問を感じる方もいると思われるが、永くなるので説明は省略)、音が小さくすぐピッチが悪くなるので、演奏よりもチューニングに時間がかかった記憶がある。だが、間違いなくヴァイオリンと同一視するべきではないと思った。
 それはさておき、1607年、モンテヴェルディのオペラ《オルフェオ》が初演された。もちろんギリシア神話のあのオルフェオとエウリディーチェの話である。このオペラは今の取り上げられることがあるので、是非観てほしいのだが、その中に〈天上のバラ〉というアリアがある。主人公オルフェオが愛する妻エウリディーチェを讃える喜びのアリアである。一聴してすぐわかるのは、ここでは明確なメロディーラインとそれを伴奏するハープなどの和音がしっかりあることだ。つまりポリフォニー音楽のような横に動くモティーフがいくつか組み合わされるのではなく、一つのメロディーを和音が伴奏するといった形態で、当時としてはそれまでにない音楽だった。もちろん彼が創始したのではない。大勢の作曲家がその時代に同じ方法を採用していたのはいうまでもない。
 ハーモニー(ホモフォニー)音楽の時代が到来したのである。構造はいたって簡単、明確な旋律にわかりやすい歌詞、それを器楽奏者が伴奏するのだから(モノディ様式というらしい)、聴き手にとっても理解しやすい。僕はDVDで観たのだが、音楽が輝いており、屈折していなく、音楽の可能性を心から信じていた時代だったと思われる。
 DVD自体は当然近年に撮影されたものなのだが、オーケストラ・ピットの奏者が当時を思わせる服装で演奏していて、何かとても華やいだ気分になれた。いつか演奏してみたいと思ったのだが、《オルフェオ》では作曲家の各声部への楽器指定が徹底しており(その前は即興的に集まった奏者が演奏することが多かった)、そういう意味では最初の本格的にオーケストレーションされた作品だったのかもしれない。
このホノフォニー音楽の意味は横に動く各声部の関係よりも、和声自体の進行が音楽をリードしていくことにある。その約束事は16世紀に確立された機能和声である。ドとソの表の5度とドと下のファの裏の5度が重要だと前に書いたが、この倍音からできたトライアングルが機能和声でも重要になる。それぞれの音を基音とした三和音(根音の3度上と5度上の音)の進行が音楽を決定する。
 その①Ⅰ−Ⅴ―Ⅰ(ドーソード)。これは学校などの朝礼で起立、礼、着席というときによく使う和音進行である。あれ?今の時代そんなことをする学校はあるのだろうか?まあいいや、次、その②Ⅰ−Ⅳ−Ⅰ(ドーファード)。これは教会などで最後にアーメンというときに使う和音進行で別名アーメン終止とも言われている。その③Ⅰ−Ⅳ−Ⅴ−Ⅰ(ドーファーソード)。これは今の時代のポップスやジャズを含めた調性音楽の大半を占めている和音進行と言っても過言ではない。もちろんそれぞれの代理和音があるのでもっと複雑だが、考え方(基本)は同じだ。
 そしてその要は長音階短音階である。ポリフォニー音楽の時代に主流だった施法はほぼこの長・短音階に集約され、機能和声は生まれた。
 この長音階短音階からできる三和音をよく見ると構成音のうちドとソは同じである。違いは真ん中の3度の音ミである。このミがそのままか、半音下がるミ(フラット)かで、和音の性格がまるで変わる。長三和音と短三和音というのだが、身近にある楽器で弾いてみていただきたい。ド・ミ・ソは明るい、そしてド・♭ミ・ソは暗い。これに異論のある方は……かなり個性的であると僕は認定します(笑)
 ここで重要なのは音楽に感情が持ち込まれたということである。明るい、暗いと感じる和音が音楽の発展とともに、歓喜を表現したり、暗い悲しみを表現できるようになる。バロック、古典派、ロマン派、そして後期ロマン派へと時空を経るにつけ、音楽はよりエモーショナルなものへと変貌していき、機能和声自体がもはや機能しなくなるのだが、今はまだそれに言及しない。

 さて最後に具体的な話。ミが329Hz、ミ♭が311Hzでその差はわずか18Hz!この差が音楽を大きく変えたのだった。



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