うたた ka-gu’s diary

障がいをお持ちの方の、生活と余暇支援を行っている・NPO法人うたたのブログです

サリヴァンと、聴くだけで自律神経が整うCD

 今日は午前中受診で、待ち時間にサリヴァンを沢山読ませて頂きました。勉強になったり、自分たちの支援方法を考えさせられたり、本当に素晴らしい本です。主治医は中井久夫先生推しですが(笑)
 あげればキリがありませんが、今日琴線に触れたところを2か所だけアップさせて頂きます。
 退行の意味を再確認し、観察(的を得た・観察の対象者を上から観ず)は改めて大事なんだとも思い、自分たちは精神科医みたいに立派ではない?かも知れませんが、自分たちの仕事も手を抜こうと思えばいくらでも抜けるし、入り込もうと思うといくらでも入り込めます。しかし、サリヴァンの言う様にあくまで専門家と言う立場からは離れてはいけないとも思って居ます。


分裂病は人間的過程である』 3,分裂病の始まり
 サリヴァンは、退行とは「生体の過去に関連しているが、機能的記憶(生理的記憶想起過程)とは違って、過去の照合的な利用ではない。退行とは、むしろ、現在(および将来)への不適切不充分な照合であろう。いいかえれば、前進的な過程が、その到達目標を、現在自由になる状況から延長して、これから起ころうとする、また想像上の状況に置くようになると、退行的過程が、この将来の想像上の目標状況を一時棚上げして、現在が本当は将来であるかのように見せかける照合を開始するのである」と言っている。これは、分裂病の回復における予見の重要性についての言説をはっきり予感させる。分裂病患者の生活において、いかにはかないものであっても、しあわせだったことが何かあるはずであって、このことがあれば、いかにかすかであっても、将来幸福でありうる可能性を予見できるというのである。


分裂病は人間的過程である』 4,臨床精神医学と研究との共通分野

 臨床精神医学は、ものすごくいい加減でありうるし、実際にそうであることもある。精神科医というものは、みだらな空想にふけってもよく、また、きわめて重要な現象をしめしている患者たちにおいて、「接近可能なもの」と「接近を許されないもの」とのあいだの、そして「比較的観察可能な状態」と「比較的不透明な状態」とのあいだの微妙なバランスに泥靴で踏み込んでもよいとされている。いや、けしからぬことに、踏み込むことが頻繁すぎるのが実状である。
 要するに、臨床精神科医には「絶妙な科学的厳密な状態」という極から、「日々の虚業をおめでたくふらふら勤めて過ごす」という極までのほぼ任意の位置を選ぶ自由がある。患者の治療には無用な結果を得るか、誰にも学問的に重要でない結果となるかである。では、分裂病患者にとって臨床精神科医とはどういうものであろうか。「個人的感情を超越し、無上の英知を持ち、何らかの方法で暗闇に光を射し入れさせる神が人間の形をとっている」という極から「冷淡な、いや意地悪な判定者であって、“失敗者” “希望なし” “軽蔑あるのみ”
“呪われてある者”など社会が与える宣告に太鼓判を押す者」という極まである。

 精神病理学は、臨床精神医学にどのようなプログラムを示唆できるだろうか。まず、科学的研究が百パーセント効果的な治療手段でありうるし、しばしば実際そうなっていると思いっ切って言おう。臨床家にとっては直接には関係のない厳密な心理テストを除外して考えれば、われわれは、観察こそ精神病理学の試金石であることをもう一度強調する。今論じた意味での観察は、患者とそのあらわすのもとその目的とを理解するために抜きんでて満足すべき位置にわれわれを置いてくれるが、私は、精神療法の成功のために必要な因子をこれ以上思いつかない。私は、医師の側に生じたある程度の理解を患者にどうしても直接には伝達できないという状況がたくさんあることをこだわらずに認める。こういう症例の理解をさらに深めるならば、ひょっとすると伝達可能性の限界(という問題)は消滅するであろう。どういう場合であろうと、患者は、医師の、言葉で伝達できないような形の患者理解によって得るところが大きい。共感という現象はこういう症例には非常に重要である。
実際、理解が進めば進むほど、いっそう接近が可能になるのが通例である。また、われわれ精神科医は皆、格別実際の情報交換なしに側についていただけで社会的回復に至った例を体験している。患者が退院後にみせてくれる好感を目安にすると、こういう場合もわれわれは願望充足空想に陥っているわけではなさそうである。 サリヴァン



 帰りに駅の本屋さんに行ったらこんな本がありましたが、買ってもらえませんでしたので、ネットで調べたら、視聴が出来ました!
 下がそのアドレスです。聴かせて頂きましたが、全編聴かないと効果がなさそうですね。環境音楽とBGMの間的な感じがしました。

https://w.soundcloud.com/player/?url=https%3A//api.soundcloud.com/playlists/83522645%3Fsecret_token%3Ds-WE1W4&color=ff5500&auto_play=false&hide_related=false&show_comments=true&show_user=true&show_reposts=false