うたた ka-gu’s diary

障がいをお持ちの方の、生活と余暇支援を行っている・NPO法人うたたのブログです

オバマケアのニュース

 連日、報道されているニュースで一番気になっているのは、オバマケアのニュース。
 自分に一番わかりやすかった物をアップしてみました。
根深い問題がある様ですが、深く考えさせられます。

 関係あるようで、ないのかも知れませんが、アメリカが、消費税(州税は消費税ではない)を導入しないのは、ベンチャー企業を守る為(起業して間がない会社にも容赦なく、消費税は掛るが、法人税は赤字なら掛らない)の様です。
 安倍総理の成長戦略の中に、ベンチャー企業の育成があるなら消費税増税を凍結したほうが良いとの意見もありますが........。

アメリカの保守派はどうして「オバマ医療保険改革」に反対するのか?
ニューズウィーク日本版 10月11日(金)17時41分配信より  

 それにしても、誰でも病気にかかるのは怖いはずです。カゼならともかく、重い病気になればどうしても医者にかからないわけには行きません。その場合の費用を考えると「医療保険はいらない」という発想は考えられないはずです。「無保険」の場合、例えば突然に重病だということが判明し、高額な手術をしなくては助からない場合は、生命に関わることにもなります。

 多くの先進国が「国民皆保険制度」を設けているのはこのためであり、先進国あるいは成熟国の場合は常識であると言えます。ですが、この「常識」をアメリカへ適用しようとしたオバマの「医療保険改革」に対して、今でも議会の下院共和党は「延期か廃止」を求めて一種の「ストライキ戦術」に出ているのです。要するに大統領と上院に対して「予算案」を人質に取って抵抗しているわけです。先週から続いている「政府閉鎖」が発生したのはこのためです。

 下院共和党の背後にはいわゆる保守票があります。特に2010年の中間選挙以来、オバマへの批判を続けて影響力を持っている「ティーパーティー」系の人々は、今でもオバマ医療保険について「オバマケア」という通称をつけて毛嫌いしています。ちなみに、「オバマケア」という言葉を大々的に使ったのは、前回の大統領選の予備選段階でのロムニー候補でした。

 その「オバマケア」の語源ですが、まず1960年代のジョンソン政権の時代に「メディケア」という高齢者向けの医療保険と、「メディケイド」という貧困層向けの医療保険が創設されたのですが、保守派としては今でもこの制度ができたことを「恨んでいる」のです。そこで「悪しきメディケア」と同じ「オバマケア」には反対だというスローガンにすると、反対を唱える際に言いやすいというわけです。

 実はジョンソン政権の時代に民主党は「国民皆保険」を提案していたのですが、これに対して共和党は「医療保険社会主義化に反対」という言い方で反対してきました。これに対して民主党は、1993年には当時ファーストレディーだったヒラリー・クリントンが責任者になって「国民皆保険」を模索したのですが、共和党の激しい反対により断念しています。つまり、この医療保険の問題は半世紀以上も民主党共和党の「対立点」になって来ているのです。

 それにしても、国民皆保険が「ない」社会というのはどう考えても不安なはずですが、どうしてアメリカの保守派は「平気で反対」するのでしょうか?

 その前提には、多くのアメリカ人は現在でも保険に入っており、自分たちは医療費の心配は余りしなくていいという状況があります。つまり基本的にフルタイムの雇用があって職場の保険に加入している人、自営業で高額の自己負担保険を買って入っている人、つまり既存の「民間の医療保険に加入している人」というのは、基本的には「オバマケア」がなくてもいいのです。

 これに加えて、今回の「オバマケア」が導入される中で、民間の医療保険に関しては微妙に「不利益変更」が出ています。例えば、新しい法律では「民間の保険でも加入前の健康状態で契約を拒否してはならない」という制度が動き出しているのですが、民間の保険の場合はその分だけ保険料がアップという現象も起きています。また、「オバマケア」全体の制度改訂の中には「医療費抑制策」も入っていて、そこに引っかかると「過去に受けられていた治療が受けられない」というケースもあるのです。

 つまり、元々民間の保険に入っていた人間は、新しい制度になることで「仮に失業しても政府の主管する安い保険に入れる」とか、成人した子供がフルタイム雇用に就く前の期間に入る保険ができたという「万が一の保障」が加わっただけで、基本的には余りメリットはない、事実関係として見ればそういうことになります。

 ちなみに、この新しい「皆保険制度」ですが、必ずしもそれまで「無保険」の人だけでなく、高額な民間の保険に「雇用主との折半ではなく、全額自腹で」入っていた人など、誰でも入れるわけです。ですが、今回の新しい保険は「安かろう、悪かろう」という面は否めず、高額な民間の保険では可能であった治療が対象外であるとか、馴染みの医者はダメで遠くの総合病院に行かなくては使えないということになるわけで、家族持ちの人にはそのような「グレードダウン」は難しいわけです。

 そうした中で、保守派の人々の中には「自分たちには何のメリットもなく、むしろ負担増ばかり」という不満が募っています。そこで出てくるのが開拓時代から脈々と流れるカウボーイ精神と言いますか、「自分と家族の健康を守るのは個人の責任」だとして「その責任を果たせない都会の貧困層の医療費コストをどうして自分たちが払わなくてはならないのか?」という発想です。

 正に、小さな政府と自己責任論です。但し、アメリカの保守思想というのは、弱者を切り捨てる冷酷なものかというと、必ずしもそうではありません。福祉や相互扶助を「個人の善意」や「教会などのコミュニティの自発的活動」で達成していこうという姿勢は、民主党支持者よりも強いのです。ですから、小さな政府論と言っても、無政府主義とか破壊一辺倒ではなく、受け皿として「非政府活動」を考えているのだということは指摘しておいても良いと思います。

 そうは言っても、若くて健康な人も含めて医療保険というのは「例外的な負担は個人ではなく、全体で支える」というのが根本思想であり、数学的な真理であるわけです。ですから、アメリカ以外の先進国ではどこも「生存権の具体化」としての「皆保険制度」が運用されているわけです。そうした「人類の常識」が通用しないのがアメリカの保守派であると言えます。

 この「オバマケア」ですが、2010年3月に成立後、2012年6月には最高裁違憲審査が行われて「合憲という審判」が下っています。ですが、主要な部分がこの2013年10月に施行されるのと同時に、保守派は「最後の抵抗」をしているわけで、それが今回の「政府閉鎖」の主要な原因となっているのです。

 この「予算バトル」ですが、ようやく最終段階というムードが出てきました。前回2012年の大統領選で共和党を代表したマケイン上院議員(その時の大統領候補)、ライアン下院議員(同じく副大統領候補)が揃って「オバマケア廃止は非現実的」という声明を出し、政争の出口を模索し始めています。オバマ大統領は、予算と同時に大きな「人質」になっている「債務上限問題」に関して「短期的な解決策に応じる」という妥協の姿勢を打ち出しました。

 勿論、共和党もここでズルズル引き下がるわけではなく、オバマケア廃止という「今となっては非現実的」なスローガンの代わりに「歳出カットと財政規律確保」のための条件闘争にスイッチするようです。いずれにしても、政治的なヤマ場が近づいてきています。
冷泉彰彦(作家・ジャーナリスト)


●メディケア(Medicare)

 高齢者向けのアメリカの公的な社会保障には日本でいうところの年金に当たるソーシャル・セキュリティの受給とともに医療補助であるメディケアがあります。

 メディケアはアメリ連邦政府が1965年に定めたアメリ医療保険制度です。米国市民と永住権所持者及び、その配偶者が対象で10年間以上メディケアの為の支払いを行った65歳以上の人となります。ただし、例外として腎臓機能障害がある場合も受給資格があります。

 メディケアは診療費をカバーしてくれますが処方箋の代金はカバーしてくれません。このため、処方箋をカバーするメディケア使用の人のための保険が別にあります。

 医療費の高いアメリカですから、メディケアだけでは自己負担分が多額になるケースも少なくないのでメディケア以外に民間の保険を利用する人が多いようです。



●メディケイド(Medicaid)

 メディケイドは日本でいうところの医療保護保険であり、低所得者層向けの保険です。つまり、一定収入以下の方のための医療保険で、連邦政府の援助を受けて州政府が管轄するプログラムです。ですから州によって保険の内容に多少の違いがあります。基本的に受給資格があるのは、米国市民または永住権保持者です。

  メディケイドはもともと母子家庭を救済する目的で作られましたが、現在では障害者や高齢者を中心に年齢に関わりなく基準を満たした個人に支給されます。保険適用には制限が多く、給付を受けるには収入の一定額以上を介護費用に充当も課せられ、経済的な制約が強い制度です。


 ノースカロライナに行かせて頂いたときに、日本で言う支援費は、メディケイドから出ていると聞きました。
 春に、メディケア・メディケイドの予算削減(他の事業の予算は削減だが、メディケア・メディケイドだけは例外扱い)をしないという民主党の主張に対して、共和党は大反対だったとの事。
 アメリカの後追いをしていると、言われている日本はこれからどのように進んでいくのでしょうか?
 何れにせよ、いつの時代も、新しいお金の流れ方を作る作業が必要になってきます。